連載3回目は、関ヶ原でカフェを経営していらっしゃるココカフェさんを訪問しました。

ココカフェを経営されている伊藤さんは「関ヶ原」という場所にこだわり、歴史や観光、お土産品に対しと熱い思いを持っていらっしゃいます。Fab-coreでは歴史に思いを込めたグッズを製作されていて、作業にいらした時に、興味深くお話を伺っていました。ずっと行ってみたいと思っていたお店にようやく訪れることができました。

 

―まずお店を始めたきっかけを伺いたいのですが、お店はいつオープンされたのですか?
ココカフェ伊藤(以下略 C) : 2013年の10月からです。お店を始めたきっかけは、関ヶ原は幹線道路にはお店が多いものの、古戦場などの観光スポット近くにはお店が少ないこと、また、観光に来た歴史好きな方、特に女性が一人で入りやすい店を作りたい、ということで始めました。

― 歴史はいつから興味を持ち始めたのですか?
C : 兄が歴史好きで、歴史の本を読まされたりしているなかで興味を持ち始めました。

― 出身は大垣だと伺っているのですが、お店を始めるまでは名古屋で働いていらっしゃったのですよね? なぜまた関ヶ原に?

C : 最初は、町内のドライブインのフロントで働いていたのですが、途中から関ケ原ウォーランドという民営の歴史資料館の館長に就任したのがきっかけです。ウォーランドで働いた経験をもとに、もう少し歴史に特化したお店、自分で好きにできる場所を作りたいと思って、カフェを始めました。

 

― 歴史に特化したオリジナルなメニューや商品はいつから作り始めたのですか?

C : オープン当時からです。関ケ原合戦は日本の各地から武将たちが来ている場所なのでいろいろな武将にちなんだメニューを提供しています。例えばコーヒーは、これは滋賀県で三成コーヒーという豆をブレンドしている方がいて、そこから取り寄せた豆で淹れた三成コーヒー。ジュースも日本各地から取り寄せています。武将の出身地やゆかりの地、例えば島津だったら薩摩から取り寄せた甘夏スカッシュ、長宗我部だと高知から取り寄せたみかんジュースなどを提供しています。


 
― メニューにもこだわりがあるのですね。オリジナルのアクセサリーやグッズなどもお店のオープン当初から作っていたのですか?

C : ほぼ最初から作っていました。西濃地区、特に関ケ原には一次産品が少ないので、他の場所では手に入らないメイドイン関ヶ原なお土産が欲しいなと思って作り始めました。



 
― ところで、Fab-coreにいらしたきっかけはなんですか?

C : 最初は商工会の会報にFab-coreさんのことが載っていてそれを見たのだと思います。オープン当初はプラ板でグッズを作っていたのですが、手間も時間もかかるため量産が難しく、また強度の問題もありますし。Fab-coreのことを知った時に、イラレのデータでアクリルを加工できると書いてあって、イラレもずっと使っていたので、それならできそうだなと思いました。
 
― Fab-coreではどういったものを作っていらっしゃいますか? また、Fab-coreを使ってよかったことなどありますか?

C : コースターやマグネット、スマホスタンド、ピアスなどのパーツなど4種類くらいのものを作っています。先ほども言いましたが、関ヶ原の場合はお城があって、シンボリックな城主がいるような観光地とは違って、いろんな武将が集まった場所なので1つの商品でもバリエーションが必要です。一つ商品を作ると、この人のはないのですか、あれはないですかと言っていただくので、それに応じてバリエーションが増えていく感じです。

関ヶ原は竹中半兵衛の息子・重門の領地ではあるのですけど、関ケ原にお城があったわけでもなく、お城を守るための戦いがあったわけでもないので、みんなが主役なのです。歴史ファンの方はそれぞれに皆さん思いがあるので、例えば大河ドラマに出てきたりしなければ歴史好きじゃない方からすれば誰?となる知名度の高くない武将でも好きな方にとってはたいせつな方なので、1点からでも対応しています。
 
―リクエストを受けて作るというのも多いですか?

C : ウェブショップからもありますし、店頭でもお客様からこの人の家紋で作って欲しいというオーダーがあります。関ヶ原には中山道が通っていて京都に繋がっているため大昔からの交通の要衝です。都に行く時などに皆さん通った道なので、関ヶ原合戦に関係ない武将の方でも、時代が例えば幕末でも家紋のご指定をいただければオーダーメードで作ります。業者さんに作ってもらう場合、ロットがネックになってくるんですけど、Fab-coreさんの場合はロット数を気にせずに細かい対応ができるのが良いところです。



 
― Fab-coreを利用して作ったもので、なにかおすすめのものやお気に入りのものはありますか?

C : 関ヶ原産の今須杉を使って家紋を入れたコースター「せ木がはらコースター」ですね。

このコースターを作る前は、アクリルでスマホスタンドを作っていて、アクリルの加工しかしていませんでした。関ヶ原で採れた素材でなにか作れないかなと探していた時に、今須地区で育つ今須杉がある!と思って、役場の方から林業をしている方を紹介していただいて作り始めました。

私がどこか観光地に行ってお土産を買うときは、地元のお菓子屋さんのお菓子やその土地ならではの工芸品を買いたいし、応援したいと思っています。今須杉は関ヶ原で育った杉なのでそういう『その土地のものを持って帰りたい』という観光の方の要望に応えられる商品になっているかなと思います。このコースターを作り始めてから、歴史好きではないご近所の方から、うちの家紋で作って欲しいという要望があって、商品として広がりもあります。
 
―Fab-coreに要望とか、こういうものが欲しいというのはありますか?

C : 昇華転写プリンターやUVプリンターでアクリルや布などいろいろな素材にプリントできたら嬉しいですね。PCで作ったデータを刺繍できるミシンとかあると良いです。


 
― 最後に今後、Fab-core の利用を検討されている方にアドバイスはありますか。

C : 試作品をつくるハードルが低いので、なにか思いついたら、とりあえず1個何か作ってみるのがいいと思います。小規模で制作している方にはとてもおすすめです。


 
ココカフェさんが販売されていて商品開発された最中をいただきながら、お話を伺いました。お店の中は歴史にまつわるポスターや、グッズが飾られていたり、販売しているグッズにつけられたポップやネーミングも面白いです。

山が近くて良い場所でした。

お一人でお店をやっていらっしゃるので、忙しい時にはお話を聞けないかもしれないですが、関ヶ原のこと、歴史のこと色々お話を聞いてみると楽しいと思います。伊藤さんこだわりのお店にぜひ行ってみてください。

次に行ったときはココカフェさん特製の合戦カレーランチやスイーツも食べてみたいです!

 

 

ココカフェ

岐阜県不破郡関ケ原町811-39

営業時間 9:30~18:00

定休日 火曜日・水曜日

ココカフェおんらいんでは、コースターやスマホスタンドなどが購入できます。

 

2019-06-07