今回は株式会社Leawoodの吉田翔太さんにお話を伺いました。
吉田さんは、ギター製作の専門学校を卒業後、ギターの製作、家具製作、塗装などの技術を10年修行した後、起業されました。
現在、革に木を貼り付けた独特の風合いをもつ財布やカードケースなどの雑貨ブランド「sciva(シーヴァ)」と木製のボルダリング用のホールドブランド「MONKEY-HOLD」。2つのブランドを立ち上げていらっしゃいます。
ー起業された経緯というのは?
吉田さん(以下Y):独立したりとか、自分でやってみようかなと思った時期に、クライミングやボルダリングという競技で出会った方達の影響もあって、この木製ホールドのブランドを起ち上げました。雑貨ブランド「sciva(シーヴァ)」は、もともとこういうもの(革に木を貼り付けた独特の風合いをもつ雑貨)が欲しくて探してたんですけど、自分が納得するデザインがなくて、ギターとか家具とかの製法を学んだ経験から、こういう木製のお財布が作れるんじゃないかと思ったんですね。自分のやってきたこと、自分のこだわりみたいなものを詰め込んだ結果、たどり着いたという感じです。
ーこれはいまどんなチャンネルで売られているんですか?
Y:クライミング用品に関しては、お世話になっている滋賀県のグッドボルダリングというジムとのタイアップで生まれたトレーニングギアに(ファブコアで)ロゴの刻印をして販売しています。
この財布などに関しては、ネットと最近力をいれているのは、実店舗での販売ですね。ネットだと木目や色合いのイメージが伝わりにくいのでそれを承知で買っていただく方はいいんですけど、実際に見て購入したいというお客さま向けにネットと実店舗をお持ちのお店に置いてもらったりしています。あと僕らも百貨店に出向いてそこで直接手売りもしています。
ーなるほど。そういう販売網に関しても自ら開拓しているんですね。
Y:というか、自ら開拓しなかったらどうするの(笑)という感じなので。このMONKEY-HOLDに関しても、今までのとはちょっと違う感じで企画しています。ここにあるのは全部ヒノキなんですね。ヒノキだけをつかってヒノキホールドっていう名前で今度打ち出す予定です。すでに保育園など何件か取り付けることが決まっています。室内で全力をだせるスポーツってなかなかないんですよね。子供は登るのが好きなので全力で登るんです。それで保育園での展開は可能性を感じていて、今後リーフレットやパンフレットみたいなものを作って全国に宣伝しようと思っています。エンドユーザーじゃなくて保育園を作るのが得意な建築士さんとか工務店さんとか、ハウスメーカーさんとかにも営業していけたらと思っています。
ー Fab-coreのことはどうやって知りましたか?
Y : 最初3Dスキャンを活用したいなと思って調べた結果Fab-coreさんに行き着きました。
これ(モンキーホールド)をもし量産するんだったら、NCでやるのもいいんじゃないかという話になって。ただデータを作ってもらうというだけで、びっくりするくらいお金がかかるのがわかったのでなんとか自分でできないかなぁと思って調べたときに、Fab-coreさんに3Dスキャナがあるのを知りました。結局は、NCでやるとむしろ高くつくこともわかって、一旦なしになりましたけど、そのときに、レーザーの講習も受講しました。
ーFab-coreではこれまでどういったものを作りましたか?
Y:商品(モンキーホールド)にレーザーでロゴの刻印というのが主な作業です。ただそれだけではなくて、例えば喫茶店にコーヒーを置くためのコースターだとか、うちが提供している商品に対して、名前を刻印したりとか、ちょっとした作業もやらせてもらってます。
ーFab-coreで加工した素材を商品にするために工夫されていることはありますか?
Y : レーザーを刻印したあとは、どんな素材であれ焦げたりとか、そのままだと刻印自体が読みづらいということになってしまいます。うちは、木材に対してレーザーを使用しているので、焦げを取るための研磨などで刻印をはっきりさせる工夫をしてますね。
ーFab-coreの機材を使って利用する利点はありますか?
Y:機械をレンタルできる、しかも1時間何百円かというすごく低単価で借りれるというのは使う身としてはすごい利点だと思ってます。
また、僕の場合は1個1個刻印し始めるところも違うので、原点に戻るのか、刻印し始めた場所に戻るのかで作業の効率が変わります。そのような量産時の細かい設定を相談しながらできるっていうのが、うれしいですね。この機械を自分で購入して作業もできますけど、トラブル時などに訊ける人がいないと、効率悪いまま作業することになってしまうので、助かっています。
ー他に使ってみたい機材はありますか?
Y : 僕個人としての興味でいくと、3Dプリンタですね。新しく「こんなものあったらいいんじゃないか」が具現化できて、すごく気軽に行けるところで作業できるというのは非常に魅力的だと思うので、今後ちょっとやってみたいなとは思います。
ー最後にFab-coreの利用を検討されているみなさんにアドバイスなどございましたら。
Y:Fab-coreは商品を量産するための工程として利用しているので、時間内でどれだけ効率よく作業できるか、を考えています。自分でやれるのはどこまでで、どこを相談したいか、などを頭の中でまとめてから予約するようにしています。
スタッフの人にお任せで何か出来上がるという場所ではないので、自分が目標としている作品だとか商品のビジョンをある程度もって、自分ができるところと、知識が欲しいところを念頭において足を運ぶと効率的に利用できるかと思います。
ーありがとうございました。
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