#3Dプリンタ 記事の一覧

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今回は、3Dプリンタのマテリアルについてレポートしてみたいと思います。

現在(2017年10月)Fab-coreで利用できるマテリアルは、ABSライクの白とゴムライクのエラストマー黒の2種類があります。その2つのマテリアルを混ぜ合わせる12種類のパターンが用意されています。

マテリアルは、ABS白のみかエラストマー黒のみ、もしくは混ぜて使う12種類の中から好きなものをSTLファイルごとまたは1つのSTLファイルのボディの塊ごと(詳しくは前回のレポートその2をご覧ください)に選ぶことができます。

この白と黒のマテリアル、色だけではなくて大きな違いは柔らかさです。ABSライクの白は硬く、ゴムライクの黒のエラストマーはとても柔らかいです。

違いを動画で見てください。

左側がABSライクの割合が多く右に行くほどゴムライクの割合が多くなっています。

柔らかさ以外の違いは、ABSライクの白のみだと衝撃に弱いです。

フィギュアは落としたら割れてしまいました。(わざと落としたわけではないです)

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同じものをABSライク白とエラストマー黒が少し混ざっているもので出力してみると黒が混ざっている方が細かい部分でも壊れにくかったです。この辺りはもう少し検証が必要ですね。

また、白のみ黒のみのシングルマテリアルで出力した方が出力時間は短くなります。2種類以上のマテリアルを一度に使うと出力時間は約1.5倍ほど長くなります。

この3Dプリンタのマテリアルの特徴として耐水性があります。このような急須を作ってみましたが、水がもれずにちゃんと容器として使えました。

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出力時間に関してはZ方向の高さで決まるので、たくさん並べて出力しても一つだけ出しても時間的にはほとんど変わりません。一度にたくさん作った方が、材料費はかかりますが、時間あたりの金額は減らせるので安くなると思いいます。

一番上の写真のフィギュアや急須など白と黒の両方を使ったマルチマテリアルで出力した場合の造形時間は16時間15分で利用料、材料費など含めて金額は48,821円(2017年当時の料金設定で計算)でした。同じものを白のみのシングルマテリアルで作った場合は、造形時間が10時間2分で値段は41,571円(2017年当時の料金設定で計算)です。

ちなみにシングルマテリアルで急須のみ出力した場合は、造形時間が9時間55分でお値段は17,837円(2017年当時の料金設定で計算)でした。(急須は蓋をとった状態で出力していて、高さが5.8cmです。蓋と急須は一緒に出力しています)

マテリアルに関してはまだまだ色々試してみたいことはあるので、実験したら報告します!

次回は、サポートをとる後処理についてのレポートです。

2017-10-20  #3dprinter  #3Dプリンタ  #news 

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Fab-coreでは、10月からご利用いただける、3Dプリンタと3Dスキャナを新しく導入しました。

ご利用いただくには、どちらも操作方法の研修(導入研修)を受講していただく必要があります。

10月16日より利用できますが、利用者自身で操作していただくことが原則ですので、10月中はご自身で操作できる方(同等機種のご利用経験がある方)へのご利用とさせていただきます。ご予約は10月2日より承ります。

11月からはどなたでも導入研修を受講すれば利用可能です。

新しい3Dプリンタの特徴は、ゴムライクとABSライクの2種類の樹脂を複合することで、硬さや物性を変えて造形することができるということ。パーツを分けることでひとつの造形物の中でマテリアルの複合率を変更して造形することも可能です。

また、サポート材はワックスなので除去が容易です。

機種:3D Systems社 Projet MJP 5500X

造形ピッチ: 25μ、16μ、13μ。

造形エリア(xzy) : 518×381×300(mm)

3Dプリンタ 使用料金 (税抜)(2018年4月より料金を変更しました)

硬質樹脂:40円/g

軟質樹脂 : 48円/g

サポート材 : 26円/g

稼働時間: 750 /時間

基本料 : 1400円

(以下の表記が抜けていたので修正します。2017年9月29日)

 

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3Dスキャナは、高解像度でフルカラーのスキャンが可能です。

機種:Artec社 ArtecEVA

計測方法 : ハンディ型非接触

3D解像度 : 0.5mm

3D精度 : 0.1mm

作業範囲:0.4 ~1m

フルカラーテクスチャ対応

3Dスキャナ 使用料金

稼働時間:100円 /時間 (2018年4月より910円/時間に変更)

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今回は、スペシャルゲストです!
みなさんお馴染みの3Dプリンタの発明者である小玉秀男さんをお迎えして、3Dプリンタ発明のきっかけや、その後の経緯などをお話して頂きつつ、現在のメイカームーブメントやこれからのモノ作りに関して、参加者のみなさんとディスカッションできたらと思います。
小玉秀男さんに関しては、Web上にいくつかインタビュー記事や講演資料などがございます。

日経ビジネスオンライン 「3Dプリンターで特許を逃した僕の「失策と教訓」」
ESD21 オープンファーラム「3Dプリンターの発明経緯とその後の苦戦」

アイデアをプロトタイピングして特許や論文にしていく過程は、個人のメイカーには参考になるお話ばかりですし、企業のモノ作りを考える上でも示唆に富んだ内容になっていると思います。
ご興味のある方はぜひぜひご参加下さい!

開催日:8月25日(木) 18:30~20:00(イベントは19:30まで)
場所:ソフトピアジャパンドリームコア1F Fab-core
主催:Fab-core
参加費:無料

ファブコア・カフェとはソフトピアジャパンドリームコアのファブコアで月に1回ファブリケーションやモバイル、新しいツールなどの話題をおしゃべりをしたり、実際に触ってみたりなど様々なアプローチから楽しくFabに親しむイベントです。


3Dプリンタの技術本ではよくiPhoneケースのモデリングがとりあげられている。

樹脂を熱で溶かして積み重ねていく熱溶解積層方式の3DプリンタでiPhoneケースをつくるのは実用的なのか? という疑問を持ちつつ「3Dプリンタのためのデータ作成研修」でiPhoneケースのモデリングの講師をしてみた。

ということで研修前に実験したことを報告!

3Dプリンタでもっとも出力しやすいかたちと方向

 

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最もシンプルなかたちを下向き(ケースの裏面が台に接する)で出力。

この方向に出力するのが一番時間が短くて、フィラメントの量がすくない。

(Cube2での出力時間:1時間 フィラメント:13.7g)

「こんなシンプルなかたちを3Dプリンタで作る意味がそもそもあるのか?せっかく3Dプリンタなんだからもっと凹凸のあるオリジナルデザインにしたい」

もちろん、おっしゃる通り。
だが、3Dプリンタはつみ木をつみあげて形を作るように一層ずつ層を積み上げながら造形していくもの。支えるものがなければ空中にフィラメントを置くことはできない。
凸凹したデザインだと支えるもの(サポート)が必要なのだ。

裏面が台に接するようにに出力すると凸凹したデザイン部分にサポートがついてしまう。サポートはとれるが見た目がよくない。ヤスリで表面をみがくのは手間がかかる。
裏面を上向きに出力してもサポートは必要だが、内側の見えない部分なので上向きに出力した方が良いだろう。

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まぁ、そうすると時間は3倍、フィラメントの量は2倍になってしまうのだ!

(Cube2での出力時間:3時間5分 フィラメント:27.7g)

時間がかかっても好きなものを作りたいのよ。という方はチャレンジしよう。

サポートとるのはめちゃくちゃたいへんだけど。

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そこで考えた。そもそもこんなサポートは必要なのか。オリジナルのサポートもありなのでは?

サポートがとりやすいように考えたイボイボサポート

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出力スタート!

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一見うまくいってそうに見えたのだが、

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こんな結果に。サポートになってなかった。フィラメントを支えきれずに垂れて流れている。

ということを、バイトさんに話したらこんなものを作ってくれた。

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円柱びっしりオリジナルサポート。これをCube Softwareに読み込んで3Dプリンタで出力できるように変換すると、出力時間9時間の表示!! もちろん出力中止!

デフォルトのサポートよりも時間がかかるという恐ろしい子。

サポートはまだまだ考察の余地あり。と問題を残しつつ、縦向きで出力。

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(Cube2での出力時間:2時間40分 フィラメント:21.1g)

上向きに出すよりはサポートをとるのが楽かも。これは裏面がつるっとした場合。凸凹しているとそこにもサポートがつくのでデザインによってはもっと時間もかかるし、フィラメントも必要。

考え方をかえて、凹凸のあるデザインより形をくり抜くようなデザインにしてみたらどうだろうか?

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これは、裏面を下向きに出力。

(Cube2での出力時間:1時間 フィラメント:12.37g)

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参考事例

フリーのCADソフト123D DesignのサンプルからダウンロードできるiPhoneケース。

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裏面を下向きに出力。サポートあり。ギザギザした歯の部分にサポートがついた。これぐらいの凸凹ならサポートもとりやすいが表面がザラザラしている。(iPhone5のケースなのにサイズがあわないのでダウンロードする方は要注意)

おまけ:研修中につくってみた。

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まとめ

【表】iPhoneケースの出力

 

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3Dプリンタ:Cube2  フィラメント:PLA

結論

熱溶解積層方式の3DプリンタでiPhoneケースをつくるならデザインは
「盛るより開けろ!」だ。

iPhoneケースは形として3Dプリンタでつくるのには向いてないと思う!

注意

ちなみにここで作ったのはすべてiPhone5s用のケース。iPhone6以降だとfab-coreにあるCube2ではサイズがぎりぎりでデザインに よっては出力できない。また、この研修を企画したときにはまだiPhone6が発売されていなかったことから5s用のケースになっている。


「3DプリンタでiPhoneケースを作ってみた」の中で水平面の仕上がりが裏と表で大きく違ってることを書いた。

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それで、なんとなくいままで作ったものを見てみると、作ったものによって面の仕上がりがかなり違うことに気づいた!

これってもしかして、プリンタノズルと台の間の隙間の値が関係しているのではないか???

そこで、値を変えてテストしてみた。

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一目瞭然!全く違う。

一番上はノズルと台をあえて1mm近く放してみたもの。一番下はノズルと台のすきまがほぼ0の状態。

このまえのiPhoneケースの場合だと、ちょっと隙間が開きすぎていたみたい。

説明書にはノズルと台の隙間は半分に折ったコピー用紙がとおるくらいとあるのだが、私の認識ではちょっと感覚が甘かったようだ。

見た目では下から2番目くらいがちょうどよい感じ。これは名刺の紙をはさんでぎりぎり動く程度の隙間。

一番下だと、ノズルがひっかかってがりがり表面を削ることがあるのと、横から見ると押しつぶされたようになっている。

この下から2番めの値でと確定したいところだが、なぜかプリンタによって個体差があるのと、今はガラス面にマスキングテープをはって糊をぬって使っているのでその分の厚みもあるのでこれが絶対値というのが言えない状況。

なんか当たり前なことでつまずいていたのが情けない。

でも、これで3Dプリンタの仕上がりが変わってきそうで嬉しい!今まで3Dプリンタのせいにしてたよ。ごめんなプリンタ!

2014-10-02  #3Dプリンタ  #news